メディカルコラム

良薬口にもやさし

2016年8月29日

前回のコラムでお話ししたように、

薬には飲みやすくするための様々な工夫がされています。

 

それでも粉の薬で飲み込みにくかったり、苦味を感じたりすることで

薬を飲むことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

 

苦味健胃散(独特な香りや苦味によって胃の働きを整える薬)等でなければ、

「良薬口に苦し」とはいいつつも、出来るだけ抵抗感なく薬を飲みたいものですね。

 

そこで、薬を飲みやすくする「オブラート」の出番です。

 

オブラートの始まりは、

キリスト教のミサに用いられる聖餅だったといわれています。

当時のオブラートは現在のような薄く柔らかいものではなく

硬いウエハース状のもので、水でふやかし、柔らかくして飲んでいました。

 

これを「硬質オブラート」といい、日本には明治時代初期に輸入されました。

1902年(明治35年)、三重県の医師 小林政太郎氏が「柔軟オブラート」を発明し、

現在使われているような薄い膜状のオブラートが世に普及していったのです。

その後、さらに飲みやすさが追及され、

様々な種類の服薬補助剤が発明されていきました。

 

そもそも、オブラートが何から出来ているかご存知ですか?

 

なんと、その正体はジャガイモやサツマイモからとれるデンプンです。

見た目は全く異なりますが、前回のメディカルコラムで扱った「裸錠」と同じ材料ですね。

薬を飲みやすくするために、デンプンが様々な形で関わっているようです。

オブラートは、中心に薬を乗せ、こぼれないように包んで使用します。

 

しかし、そのままでは、口の中にはり付いて上手く飲み込めないことがあります。

そのような時は、薬を包んだオブラートをスプーンに乗せ、

水で濡らして少し溶かして飲むと、とろみが出てより飲みやすくなります。

 

オブラートを使って服薬する際には、是非試してみてください。

 

今回は薬をより飲みやすくする「オブラート」を紹介しました。

 

前回から2回にわたって、薬の飲みやすさに関わるコラムをお送りしましたが、

剤形やオブラートには、

「薬を飲む患者さんの負担をより軽減したい」

という優しさが込められていたことが分かりますね。

 

薬を飲む際には、患者さんを思いやる

剤形や服薬補助剤の優しさについて思い出してみてください。

以上、メディカルコラムでした。

 

 

・国光オブラート株式会社

 http://www.kokkooblate.co.jp/oblate/medical/details.html

・独立行政法人 農畜産業振興機構

 http://www.alic.go.jp/starch/japan/arekore/200909-01.html

・海外でも特許取り、供給-小林政太郎の柔軟オブラート

http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/hakken/detail.asp?record=272