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メディカルコラム

つまようじと世界初の合成医薬品

2013年7月20日

つまようじの用途は?と聞かれたら、「歯に詰まったものをとる」や「食事のときに使う」
という答えが大多数かと思いますが、実はこのつまようじ、ある医薬品の誕生に深く関係しているのでした。

古くから日本では「柳で作った楊枝を使うと歯がうずかない。」という伝承があり、
また漢方薬発祥の地-中国でも柳の木の枝を噛んだり、枝先をほぐしたもので歯をつついたりすることで、
歯の痛みをおさえていたという記録が残っているそうです。
その際に楊柳(ようやなぎ)という柳の木の枝を用いてつくられていたことから、
「爪楊枝=つまようじ」と名づけられました。
なんとつまようじは、歯の痛みを抑えるために使用されたのが始まりだったのです!

19世紀になり、科学が発展すると、つまようじの材料である柳の木に
痛みをおさえる「サリチル酸」という成分が含まれているということがわかりました。
このサリチル酸を医薬品化しようと幾人もの科学者が試みましたが、なかなか出来ずにいました。
そしてついに1897年、弱冠29歳の若きドイツのフェリックス・ホフマン博士がサリチル酸をアセチル化した
「アセチルサリチル酸」の人工合成に成功しました。世界初の人工合成医薬品「アスピリン」の誕生です。

柳の木を噛んで歯の痛みを抑えようとした古代の人々の知恵が、医薬品の誕生のきっかけになるとは
まさか思いもよらなかったでしょう。
知られざる多くの歴史とそこに関わるたくさんの人の努力がつながって、医薬品の今があるのですね。
ときどきは薬の歴史に思いを馳せてみるのもいいかもしれません☆

 

出典情報書名:「スパイス、爆薬、医薬品 ~世界史を変えた17の化学物質~」 
著者:J.バーレサン/P.ルクーター